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アストロボット:未採用要素公開 - バードフライトレベルとヘッドレスデザイン

by Audrey Sep 15,2025

アストロボット愛好家ならスポンジパワーアップの起源を知っているかもしれないが、チームASOBIがコーヒーミルやルーレットホイールのようなユニークなコンセプトも検討していた事実はご存じだろうか?

これらの貴重な情報は、2025年のGDC(Game Developers Conference)で明らかになった。IGNが参加したチームASOBIスタジオディレクター、ニコラ・ドゥセ氏による「The Making of Astro Bot」講演で、プレイステーションのマスコットプラットフォーマー誕生秘話やプロトタイプ段階のビジュアル、没となった要素が披露された。

アストロボットの企画書をコミック形式で紹介したニコラ・ドゥセ氏GDC講演のスライド

ニコラ・ドゥセ氏のGDC講演「The Making of Astro Bot」で使用された、コミック形式のゲーム企画書スライド

ドゥセ氏はまず2021年5月に作成された初期企画書について言及。プロトタイプ制作開始直後に作成され、上層部へのプレゼン前に23回もの修正を重ねたという。コミック形式でゲームコア要素を表現したこの企画書は、非常に効果的だったと語った。

チームASOBIの付箋を使ったブレインストーミングを写したスライド

チームASOBIの特徴的な付箋式ブレインストーミングプロセスを紹介するスライド

続いて、同氏はチームのアイデア創出プロセスを説明。5~6名の異なる専門分野のメンバーで構成されるグループが、付箋を使ったブレインストーミングを行い、カラフルなアイデアボードが完成したという。ただし、プロトタイプ化まで進んだのは全体の約10%に留まった。

それでもプロトタイプ制作は大規模に行われ、デザイン部門以外のスタッフも参加。例えば音響デザイナーチームは、ハプティックコントローラーの振動を効果音と連動させるため、アストロボット内に「劇場」を設けてテストしたという(ドアの開閉動作の違いなど)。

スポンジプロトタイプとアストロボットのスポンジ変身コンセプトアートを紹介するスライド

スポンジメカニックのプロトタイプとアストロボットがスポンジに変身するコンセプトアート

ドゥセ氏はプロトタイプの重要性を強調し、数人のプログラマーがプラットフォーミング以外の実験専任だったと明かした。スポンジメカニックは、アダプティブトリガーを使った「絞る動作」のプロトタイプから生まれた楽しい要素で、本編に採用された。

アストロボットで開発された様々なプロトタイプアクティビティを紹介するスライド

アストロボットで試作された多様なプロトタイプアクティビティ

同氏は、ゲーム採用された風船やスポンジメカニックと並び、没となったテニスゲーム、ぜんまい玩具、ルーレットホイール、コーヒーミルなどのコンセプトを紹介する画像を提示。

レベル設計については、各ステージで独自のゲームプレイ体験を提供し反復を避けることを重視。パワーアップは再利用可能だが、実装方法に差異を持たせた。特に、カットされた鳥の飛行をテーマにしたステージは、Go-Go群島ステージや『Astro's Playroom』のモンパワーアップステージとコンセプトが重複したため削除された。

「結局、重複部分が多すぎてバラエティに欠けると判断しステージを削除しました」とドゥセ氏。「完成形は永遠にわかりませんが、リソースを他に振り向けたのは正解だったでしょう」

カットされたアストロボットのステージと正式採用ステージ2つを比較するスライド

削除されたアストロボットステージと採用ステージの比較スライド

講演の締めくくりに、ドゥセ氏はゲームの最終シーンについて言及。※アストロボット未クリアの方へ:以下は結末に関するネタバレを含みます

エンディングでは、プレイヤーが他のボットたちと協力して破損したアストロボットを修理する。当初のデザインでは頭部や四肢が完全に分離した状態だったが、スタッフの反応が悪かったため、最終版では控えめな表現に変更された。

ドゥセ氏の講演で公開されたアストロボットのオリジナルエンディングデザイン

ドゥセ氏の講演で公開されたアストロボットの当初のエンディングデザイン

ドゥセ氏の講演はアストロボット開発のさらに深い情報を提供した。IGNは以前のインタビューで同作を満点近い9/10と評価し、「非常にクリエイティブなプラットフォーマーで、特にプレイステーションファンにとって意味深い作品」と絶賛している。

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